まだ上司に言えなくても、就業規則・有給休暇の残日数・契約書は確認できます。まずは分かるものを一つずつ手元にそろえましょう。日程や手続きが見えてくると、切り出すときに何を伝えるかを考えやすくなります。
引き止めが怖い、忙しくて機会がない、引き継ぎが心配、話す気力がない。近い悩みから、できそうな準備を選んでください。会社へ伝える前でも、公的な相談窓口を利用できます。
退職を伝える前にできる3つの準備
| 確認すること | 探す場所 | 控えておく内容 |
|---|---|---|
| 退職の社内手続き | 就業規則、社内ポータル、人事の案内 | 申し出先、書式、社内で定める申し出時期 |
| 有給休暇 | 勤怠システム、給与明細。分からなければ人事へ | 残日数と、期限が切れる日 |
| 雇用契約 | 入社時の雇用契約書・労働条件通知書 | 契約期間の有無。期間がある場合は終了日 |
見つからない書類は、人事へ「雇用契約書の控えを確認したい」「就業規則はどこで見られますか」と尋ねて構いません。この問い合わせと、退職の申し出は別に進められます。
言い出せない理由別の進め方と、面談を頼む文例
まず上司や人事に希望する退職日を伝え、書面の提出、引き継ぎ、備品の返却へ進みます。上司へ直接話しにくい事情がある場合は、別の担当者や相談窓口に連絡方法を相談しましょう。切り出し方は退職を伝える例文と引き継ぎの流れを参考にできます。
面談の時間を取るところで止まっているなら、「今後の勤務について個別にお話ししたいことがあります。○日か○日に、15分ほどお時間をいただけますか」とメールやチャットで送れます。退職を決めている場合は、面談で「退職することを決めました。希望日は○月○日です」と意思と日付を伝えます。
| 言い出せない理由 | 最初の一手 | 次の一手 | 避けたいこと |
|---|---|---|---|
| 引き止められるのが怖い | 申出期限を読み、退職希望日を1つに決める | 報告の形(「◯月末で退職します」)で日程を出す | 結論を相手に預けること |
| 忙しくて切り出せない | 希望退職日から逆算して申出日を決める | その日までに引き継ぎ資料の目次を作る | 申出日が動き続けること |
| 引き継ぎが心配 | 担当業務を書き出し、自分しか手順を知らない作業に印をつける | 印をつけた作業から手順を書き出す | 「後任が決まってから」を条件にすること |
| 話す気力がない | 公的相談窓口の番号と受付時間を控える | 書類のある場所を確認し、連絡を助けてもらう方法を相談する | 会話の練習だけを続けること |
たとえば3か月後に辞めたいなら、今日から担当業務の一覧を作り、希望日を伝える日をカレンダーへ入れてみましょう。忙しい時期が終わるのを待ち続けるより、退職日・申し出る日・引き継ぐ作業を分けると、次にすることが見えてきます。
在職中に応募書類を整えておくと退職後の負担が分散します。作り方は職務経歴書の書き方|基本項目とコピペ用テンプレート・経歴に合う並べ方にまとめています。
会社に引き止められたら、辞められない?
期間の定めのない雇用では、退職の申し入れから原則2週間で雇用が終了します。会社が認めるまで無期限に働き続けなければならないわけではありません。希望する退職日を明確に伝え、申し出の控えと会社の回答を残しましょう。
契約期間がある人の途中退職は条件が異なります。契約書を確認し、話が進まない場合は労働相談窓口へ相談してください。就業規則の申し出時期と希望日が合わないときも、一人で抱え込まず相談できます。
自力で切り出さない選択肢を検討する条件
自分で連絡することが難しいときは、公的窓口への相談や退職代行の利用も選択肢になります。費用と対応範囲を確かめ、自分に必要な支援を選びましょう。
- 心身の不調により、会社と直接やり取りすること自体が難しい状態が続いている
- 退職の意思を伝えたが手続きが進まず、申出の記録も残せていない
- 有給休暇の取得や未払い分など交渉が必要な事項が同時に絡んでいる
退職代行を使う場合は、退職の連絡だけか、有給や退職日の交渉も必要かを伝えます。退職代行の料金と選び方で対応範囲の違いを確認し、相談時に次の点を質問してください。
- 対応範囲(どこまでを代行し、どこからは対象外と書かれているか)
- 追加料金の有無と、発生する条件の記載
- 返金規定がある場合の適用時点(着手前か、着手後か)
- 依頼後の連絡窓口と、本人へ連絡が来た場合の案内
- キャンセルおよび契約の解除に関する記載
一人で抱えないための公的相談窓口
次の窓口は会社に伝える前でも使えます。いずれも厚生労働省が設けたもので、相談料はかかりません。
| 窓口(いずれも厚生労働省) | 主な対象 | 連絡先・利用方法 | 相談時間・受付締切 | 費用 |
|---|---|---|---|---|
| 総合労働相談コーナー | 解雇、賃金、パワハラなどあらゆる分野の労働問題 | 近くの窓口へ面談または電話。予約不要 | 土日祝・年末年始(12月29日〜1月3日)は閉庁 | 無料 |
| 労働条件相談ほっとライン | 労働条件全般。匿名可 | 0120-811-610 | 月〜金 17:00〜22:00/土日祝 9:00〜21:00(12月29日〜1月3日を除く) | 無料 |
| 働く人の「こころの耳電話相談」 | 働く人と家族、人事労務担当者のメンタルヘルス相談 | 0120-565-455 | 平日17:00〜22:00(受付21:50まで)/土日10:00〜16:00(受付15:50まで)。祝日・振替休日・年末年始を除く | 無料 |
| 働く人の「こころの耳SNS相談」 | 同上(LINE利用) | LINEで友だち登録のうえ相談画面から | 平日17:00〜22:00(受付21:30まで)/土日10:00〜16:00(受付15:30まで)。祝日・振替休日・年末年始を除く | — |
労働条件相談ほっとラインは日本語のほか複数の言語に対応します。心の不調や悩みは「こころの耳」へ相談できます。病名の診断や治療については、医療機関へ相談してください。
今日の準備は一つだけでもいい
就業規則を探す、有給の残日数を見る、相談窓口を控える。できそうなことを一つ選びましょう。話す気力がない日は、会話の練習や書類集めより先に、体調の相談を優先して構いません。
よくある質問
- 就業規則が職場で見当たらないときはどうすればよいですか。
-
人事や総務に「就業規則はどこで確認できますか」と尋ねます。社内ポータルや配布冊子も確認しましょう。閲覧場所の問い合わせと、退職の意思を伝えることは別です。
- 退職の意思は口頭で伝えただけでも伝えたことになりますか。
-
口頭でも申し出はできますが、後で内容を確かめられるよう、伝えた日・相手・退職希望日を記録しましょう。所定の書面があれば提出して控えを保管します。受け取りを拒まれたときは、その経緯も相談窓口へ伝えてください。
- 繁忙期に退職を切り出すのは避けるべきでしょうか。
-
忙しい時期が終わるまで待ち続ける必要はありません。希望日を決め、面談の時間をお願いし、引き継ぐ作業を示して相談しましょう。体調がつらい場合は、予定を無理に延ばさず相談窓口や医療機関へ相談してください。
- 有給休暇の残日数は、どこで確認できますか。
-
勤怠システムや給与明細の有給欄を確認します。見つからなければ、人事・総務に残日数と期限が切れる日を尋ね、メモしておきましょう。
- 公的な相談窓口に連絡すると、会社に連絡が行ってしまいませんか。
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会社に知られず相談したいことを、最初に窓口へ伝えてください。労働条件相談ほっとラインは匿名でも相談できます。会社への働きかけを伴う手続きを提案された場合は、何を・誰に伝えるかを確認してから利用を決めましょう。
参考・出典
手続きの根拠は以下の公式資料です。厚生労働省「退職、解雇、雇止めなど」では、無期雇用の退職原則と就業規則の関係を確認できます。窓口の受付時間は、利用前に最新の案内をご確認ください。
- e-Gov法令検索「民法」(明治二十九年法律第八十九号)第627条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- e-Gov法令検索「労働基準法」(昭和二十二年法律第四十九号)第15条・第22条・第39条・第89条・第106条 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
- 厚生労働省 労働条件相談ほっとライン https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/lp/hotline/
- 厚生労働省「こころの耳」電話相談 https://kokoro.mhlw.go.jp/tel-soudan/
- 厚生労働省「こころの耳」SNS相談 https://kokoro.mhlw.go.jp/sns-soudan/

