退職を決めたら、会社へ伝える日・最終出社日・退職日の3つを分けて考えよう。有給と引き継ぎを予定に入れ、最後に返却物と退職後の手続きを確認すれば、準備するものが見えてくる。
ここでは、会社への申し出から退職までを7ステップで紹介する。切り出し方の例文は、自分の事情に合うものを選んで使ってほしい。体調がつらい場合や上司に直接話せない事情がある場合は、人事や相談窓口への連絡を優先して構わない。
円満退職までの7ステップ
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1. 希望日と生活費を考える | 次の入社日、退職後の収入、生活費の支払いを確認する |
| 2. 契約と有給を確認する | 契約期間、退職の提出先・書式、有給の残日数を確認する |
| 3. 会社へ退職の意思を伝える | 上司や人事に時間をもらい、希望する退職日を伝える |
| 4. 日程を整理して書面を出す | 退職日・最終出社日・有給の日を分け、提出書面の控えを残す |
| 5. 引き継ぎを進める | 担当業務、期限、資料の場所をまとめ、引き継ぎ先と確認する |
| 6. 返却物と受取書類を確認する | PC・鍵・社員証などの返却、離職票等の受取方法を確認する |
| 7. 最終出社・退職後の手続きを進める | 関係者への連絡を済ませ、健康保険・年金など必要な手続きをする |
いつ伝える? 契約期間と有給から予定を立てる
期間の定めのない雇用では、申し入れから原則2週間で雇用が終了する。これは引き継ぎに十分な準備期間という意味ではない。余裕があれば早めに準備し、希望日と引き継ぐ作業を会社へ伝えよう。
契約期間がある場合の途中退職は条件が異なる。契約書の期間欄を確認し、就業規則の申し出時期と希望日が合わないときも、話が進まなければ労働相談窓口へ相談できる。詳しくは退職を伝える時期と契約期間の確認を参照してほしい。
有給を使う場合は、残日数を確認して退職日までの勤務予定日に申請する。土日などの休日を有給の日数に数えず、最後に出勤する日を別に決めよう。残日数と勤務日数によっては使い切れないため、退職日を決める前に予定を確認したい。断られたときは退職前の有給の申請と相談先を確認できる。
上司や人事への切り出し方:例文5パターン
まず面談の時間をお願いし、退職の意思と希望日を伝える。詳しく話したくない事情を無理に説明する必要はない。以下の理由が自分に当てはまらなければ、理由を細かく述べない1の例を使おう。
1. 理由を細かく話さずに伝える
「お時間をいただきありがとうございます。考えた結果、退職することを決めました。〇月〇日を希望しています。引き継ぎと必要な手続きについて相談させてください。」
2. キャリアの方向転換が理由
「今後は〇〇の分野で働きたいと考え、退職を決めました。〇月〇日を希望しています。現在担当している仕事と引き継ぎの予定をご相談したいです。」
3. 家庭の事情が理由
「家庭の事情で今の勤務を続けることが難しくなり、退職を決めました。〇月〇日を希望しています。詳しい事情は控えさせていただきたいのですが、必要な手続きと引き継ぎについて相談させてください。」
4. 体調が理由
「体調面で勤務を続けることが難しく、退職を希望しています。希望日は〇月〇日です。今の体調で対応できる範囲も含め、手続きについて相談させてください。」
休職などの提案があれば、内容を聞いてから考えて構わない。体調と今後の働き方については、医療機関にも相談してほしい。
5. 人間関係について詳しく話したくない
「今の環境で勤務を続けることが難しく、退職を決めました。〇月〇日を希望しています。詳しい事情よりも、退職に向けた手続きと引き継ぎを相談させてください。」
ハラスメントがある場合は、上司へ直接伝えることにこだわらず、人事や労働相談窓口へ相談しよう。日時と出来事、残っているメールなどを整理しておくと相談しやすい。
引き止められたら、希望日と対応できる作業を伝える
| 会社からの話 | 返し方の例 |
|---|---|
| 待遇を上げるので残ってほしい | 「ご提案ありがとうございます。検討しましたが、退職の意思は変わりません。」 |
| 後任が決まるまで待ってほしい | 「〇月〇日の退職を希望しています。それまでに引き継ぐ作業と資料を整理しますので、担当先を相談させてください。」 |
| 異動すれば解決するのでは | 「ご配慮ありがとうございます。今回は退職を決めましたので、日程と手続きを相談させてください。」 |
| 感情的に責められる | 「今は落ち着いて話すことが難しいため、人事を交えて手続きを相談したいです。」 |
退職を受け付けてもらえない場合は、申し出の控えと会社の回答を労働相談窓口へ見せよう。自分で連絡することが難しく代行を検討する場合は、退職代行に頼める範囲と費用を確認してほしい。
引き継ぎ資料に書くこと
| 項目 | 残す内容 |
|---|---|
| 担当業務 | 作業の手順、頻度、判断に迷いやすい点 |
| 進行中の案件 | 現在の状況、次の作業、期限、優先順位 |
| 連絡先 | 確認する部署・担当者、取引先の窓口 |
| 資料と権限 | 共有フォルダの場所、使用するツール、権限の引継ぎ方法 |
| 注意点 | 過去のトラブルと対応、特に確認が必要な作業 |
残り日数が少ない場合は、期限の近い案件や止められない作業から引き継ぐ。可能なら一緒に作業して確認し、終わっていないものは一覧で上司へ渡そう。アカウントや権限の引き継ぎは会社の手順で行う。
返却物・受取書類・退職後の手続きを確認する
PC、鍵、社員証、制服などは返却先と期限を確認する。離職票や源泉徴収票は退職後に届くこともあるため、発送時期と送付先を確認しておこう。
| 手続き | 期限・確認すること |
|---|---|
| 健康保険の任意継続 | 退職日の翌日から20日以内。退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上あることなどが条件 |
| 国民健康保険 | 加入する場合は資格喪失から14日以内に市区町村へ届出 |
| 国民年金第1号 | 国内在住の20歳以上60歳未満で、厚生年金・第3号に該当しない場合は退職日の翌日から14日以内に手続き |
| 雇用保険の基本手当 | 離職票を受け取ったら、住所地のハローワークで受給条件と手続きを確認 |
| 企業型確定拠出年金 | 加入していた人は、退職前に移換先・期限・必要書類を運営管理機関へ確認 |
退職後すぐに次の勤務先の保険へ入る場合や、家族の扶養に入る場合は手続きが異なる。健康保険の保険料は、任意継続と国民健康保険について窓口で自分の額を確認し、扶養家族分も含めて比べよう。
住民税は最後の給与などからまとめて引かれる場合、納税通知書で払う場合、転職先で天引きを続ける場合がある。1〜4月の退職は、最後の給与などで残額を徴収できる場合は原則一括徴収。給与担当へ最後の手取りと今後の納付方法を確認しよう。退職後の手続きチェックリストでも、窓口と必要書類を確認できる。
よくある質問
- 就業規則に3か月前とあります。必ずその期間まで働く必要がありますか。
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無期雇用では、申し入れから原則2週間で雇用が終了する。社内規定だけで退職できなくなるわけではない。希望日を明確に伝え、話が進まなければ契約書と会社の回答を労働相談窓口へ持っていこう。
- 退職理由は詳しく伝える必要がありますか。
-
話したくない事情まで詳しく説明する必要はない。退職の意思と希望日を、事実に沿って簡潔に伝えよう。ハラスメントなどは、別に相談窓口への相談も考えてほしい。
- 有給休暇を全部使って辞められますか。
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残日数と退職日までの勤務予定日を確認して申請しよう。退職後へ取得日を変更することはできないが、残っている勤務日数が足りなければすべて使えるとは限らない。退職日を決める前に予定を確認し、断られた場合は理由を記録して相談しよう。
- 健康保険は任意継続と国民健康保険のどちらが安いですか。
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所得、加入先、扶養家族などで変わる。協会けんぽの任意継続は原則、退職前の本人負担の2倍だが上限などがある。加入先と市区町村へ自分の保険料を問い合わせ、家族分も含めて比較しよう。
- 退職届と退職願はどちらを出せばいいですか。
-
まず会社の書式と提出先を確認し、退職の申し出方に合う書面を用意する。書類の名前だけで撤回の可否は決まらない。提出前に内容を確認し、控えを残しておこう。
書面は退職届・退職願の違いと文例を確認できる。

