職務経歴書は、勤務先と在籍期間を書き出すところから始められます。次に、担当業務と実績を箇条書きにし、応募先の仕事に関係するものを詳しく説明しましょう。文章を整えるのは、その後で大丈夫です。
迷ったら、標題・氏名・日付・職務経歴を置き、応募先に伝えたい実績やスキルを足しましょう。厚生労働省のパンフレットも基本項目と記載例を示しています。応募先から指定の様式や枚数がある場合は、その指示に合わせます。
職務経歴書を作る順番
- 勤務先と在籍期間を書き出す
- 担当業務、自分の役割、実績を足す
- 応募先に関係する経験を詳しく書く
- 指定の書式・枚数に合わせ、読みやすさを確認する
履歴書と職務経歴書は、どこで役割が分かれているのか
履歴書には学歴・職歴などの基本情報を、職務経歴書には担当した仕事と自分の強みを詳しく書きます。職務経歴書では、「どこで働いたか」に加えて「何を任され、どんな工夫をしたか」が分かるようにしましょう。
| 比較の軸 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 様式 | 氏名・学歴・職歴などの記入欄がある | 自由様式が基本。応募先の指定を確認 |
| 基本の記載項目 | 応募先の指定様式に沿って記入。公的様式例では性別欄は任意 | 標題・氏名・日付・職務経歴 |
| 分量 | 使用する様式のページ数に合わせる | A4縦1〜2枚程度。別紙添付時は増えても可 |
| 希望条件を書く欄 | 本人希望記入欄(給料・職種・勤務時間・勤務地など) | 経験・実績を中心に記載。希望条件は応募先の指定欄へ |
希望年収や勤務地は、応募先の指定欄やフォームを確認して記載します。指定がない場合は、履歴書の本人希望記入欄などの使い方を確認しましょう。切り出す場面の話は転職の年収交渉はいつ・どう伝える?提示額の確認ポイントと例文3つで扱っています。
基本の4項目に、実績・資格・自己PRを加える
まず「職務経歴書」という標題、氏名、提出日、職務経歴を置きます。そこに応募先へ伝えたい経験や能力を加えて、見出しを作りましょう。すべての欄を埋める必要はありません。
| 加える項目 | 書くこと |
|---|---|
| 職歴の要約 | どの業界で何年、何を担当したかを数行でまとめる |
| 実績 | 自分の役割、工夫したこと、結果 |
| 資格・スキル | 資格の正式名称と取得時期、使用できるソフトと実務での用途 |
| 自己PR | 応募する仕事で生かせる強みと、その経験 |
| 応募職種・志望動機 | 応募先から求められた場合や、書類内で伝えたい場合に加える |
職歴が短い場合は、応募する仕事に関係するアルバイト、訓練、研修、勉強中の内容も材料になります。資格は取得済みか、勉強中か、期限が切れているかが区別できるように書いてください。
職務経歴の並べ方は4スタイル。迷ったら編年体式
経験を並べる方法は一つではありません。古い順、新しい順、業務別などから、応募先へ伝えたい強みが見つけやすい形を選びます。迷う場合は、まず古い順に書き出して全体を整理すると進めやすくなります。
| スタイル | 並べ方 | 向いている状況 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 編年体式 | 古いものから並べる | 迷ったときの基準。同じ職種への転職の記載例もこの形式 | 直近の実績が末尾に来る。要約を冒頭に置くと読みやすい |
| 逆編年体式 | 新しいものから並べる | 直近の経験が応募職種に最も近い場合 | 古い経歴も省略せず、勤務先と期間が追えるようにする |
| キャリア式 | 営業・事務・接客など、仕事内容ごとに分け、応募先に伝えたい経験から並べる | 転職回数が多く、経歴を分類できる場合 | 時間の流れが見えにくい。勤務先と在籍期間の一覧を別に付ける |
| フリースタイル | 仕事内容ごとに分けて年代順に並べる、勤務先ごとに書く、など | 派遣就業やアルバイト就業が続いた経歴 | 期間と勤務先を追える形か確認する |
直近の経験を強く伝えたいなら新しい順、経験の積み重ねを見せたいなら古い順、複数の会社で共通する専門性を見せたいなら業務別に整理します。どの形式でも、冒頭に職歴の要約を置くと全体像を伝えやすくなります。
A4テンプレート(コピペ用・編年体式)
基本項目に実績・資格・自己PRなどを加えた例です。使わない見出しは削り、応募先に関係する経験が伝わる構成に調整してください。
職 務 経 歴 書 令和◯年◯月◯日 氏名 ◯◯ ◯◯(090-0000-0000) 1 応募職種 ◯◯◯◯(求人票の職種名をそのまま記載) 2 職歴概要 ◯◯業界にて◯年間、◯◯職として勤務。◯◯を中心に担当し、 ◯◯の実績をあげてきた。直近は◯◯を担当。 3 職務経歴 平成◯年◯月 株式会社◯◯◯◯入社(本社◯◯市、従業員◯◯◯人) 【事業概要】◯◯の製造・販売 【所属】◯◯部◯◯課 【雇用形態】正社員 平成◯年◯月 ◯◯営業所に配属 【職務内容】◯◯を対象とした◯◯の提案営業を担当。訪問、 見積書作成、納品後のフォローまで従事。 【実績】担当顧客数を◯◯社から◯◯社に拡大。売上高の 対前年度◯◯%増を達成。 令和◯年◯月 ◯◯課に異動(役職:◯◯、部下◯人) 【職務内容】◯◯の企画立案および進行管理。 【実績】◯◯を提案・導入し、◯◯を改善。 令和◯年◯月 一身上の都合により退職 4 資格・学習状況 平成◯年◯月 ◯◯◯◯(正式名称で記載) 令和◯年◯月 ◯◯◯◯ 受験予定/結果待ち/学習中(自分の状況に合うものだけ記載) 5 パソコンスキル Word(差込印刷)、Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル)、 PowerPoint(社外提案資料の作成) 6 活かせる能力 ◯◯の◯◯ができます。◯◯の業務を通じて、◯◯を◯◯する 方法を身につけました。 7 自己PR ◯◯の場面では◯◯という課題があり、◯◯に取り組んだ結果、 ◯◯という成果につながりました。貴社の◯◯でも活かしたいと 考えております。 以上
日付は提出日で履歴書とそろえ、年号は和暦か西暦に統一します。企業名や資格名は正式名称を記載しましょう。テンプレートの仕事内容・数値・退職理由は自分の事実へ置き換え、当てはまらない行は削ってください。在職中なら、退職済みと読める記載にしないようにします。
A4で読みやすく整える文字と余白
見出し、箇条書き、余白を使い、勤務期間や担当業務をすぐ見つけられる形に整えます。次の表は文字サイズや余白の目安です。応募先の指定がある場合はそちらを優先し、印刷やPDF表示で読みづらくないか確かめましょう。
| 要素 | 整える目安 |
|---|---|
| 用紙 | A4縦サイズの白無地。パソコンで横書きが一般的 |
| 手書き | 黒のボールペン・万年筆等なら差し支えない。鉛筆・シャープペンシルは不可 |
| 文字サイズ | 標題や見出しを除く本文部分で10.5〜12ポイント程度 |
| 余白 | 上下左右を十分に取る。特に左余白は採用担当者のファイリングに必要 |
| 文末 | 職務内容は「〜を担当」など短く書く。自己PR・志望動機は丁寧な文章で書く |
職務内容は「〇〇を担当」「〇件を処理」のように短く書き、自己PRや志望動機は丁寧な文章で説明すると整理しやすくなります。行を詰め込むより、勤務期間・仕事・実績の区切りが見えるかを確認しましょう。
書き終えた後の手順もあります。完成した職務経歴書はコピーを取り、面接前に読み返すこと。面接は記載内容に基づいて質問されることが多く、内容を忘れたり矛盾した応答をしないためです。コピーは次の応募先の書類を作る下敷きにもなります。想定質問の作り方は転職面接の想定質問50選|答え方のポイントと自己紹介・転職理由の例文で整理しています。
職種別の書きどころと、埋まらないときの手がかり
勤務先と在籍期間を書いたら、担当した仕事、自分の役割、実績を加えます。営業成績など数字で示せるものがあれば使えますが、無理に作る必要はありません。次の表から、自分の仕事で説明できる項目を選んでみましょう。
| 職種 | 職務内容で書き切りたいこと | 数値化しやすい指標 |
|---|---|---|
| 営業 | 顧客層、商材、営業手法、担当エリア | 売上高と対前年度比、目標達成率、担当顧客数、新規開拓件数 |
| 事務 | 書類の種類、使用ソフトと機能、対応範囲 | 月間処理件数、削減した作業時間、対応件数 |
| IT・技術 | 担当工程、使用技術、プロジェクト規模と役割 | 応答時間の改善幅、リリース回数、削減コスト |
| 接客・販売 | 取扱商品、接客スタイル、店舗運営で任された範囲 | 個人売上と達成率、客単価、接客人数、リピート率 |
数字が思い当たらなければ、「何を任されていたか」「作業で気を付けていたこと」「以前よりできるようになったこと」を書き出します。受賞やプロジェクトの経験も、応募する仕事との関係が伝わるものを選びましょう。社外活動を書く場合も、職務能力や適性につながる内容に絞ります。
本籍、家族の職業・収入、宗教や支持政党など、仕事への適性・能力と関係のない情報を書き足す必要はありません。厚生労働省も、こうした情報の把握は就職差別につながるおそれがあるとしています。
提出前に、応募先の仕事と記載内容を照らし合わせる
職務経歴書は、書式を整えるだけでなく、応募先が求める仕事を自分がどう担当できるか伝えるための書類です。募集要項と照らし合わせ、関係する経験が見出しや箇条書きですぐ見つかるかを確認しましょう。
実績の数字は確認できる範囲で使い、自分が担当した作業も添えます。数字にしにくい経験は、工夫や改善した手順を具体的に書きましょう。添削を受けたい場合は、ハローワークや利用中の転職エージェントへ対応の可否を確認できます。エージェントの利用方法は転職エージェントの仕組みと使い分けを参考にしてください。
よくある質問
- 職務経歴書は何枚に収めればよいですか
-
指定がなければA4で1〜2枚程度を目安にします。プロジェクト一覧や作品集を別紙にする場合などは増えることもあります。無理に文字を小さくせず、応募先に関係する経験が見つけやすいかを確認してください。
- 手書きで作成してもかまいませんか
-
応募先から指定がなければ、黒のボールペンなどで手書きする方法もあります。修正や応募先ごとの調整をしやすくしたい場合は、パソコンで作成すると進めやすくなります。指定の提出形式は事前に確認しましょう。
- 同じ職務経歴書を複数の企業に使い回してよいですか
-
勤務先や在籍期間などの事実は共通ですが、詳しく書く経験や自己PRは応募先に合わせて調整しましょう。全文を書き直す必要はありません。職種名と、前に出す実績が今回の求人に合っているかを見直します。
- 失効した資格や勉強中の資格は書けますか
-
状態を明記すれば記載できます。「〇年に失効」「受験に向けて学習中」などと書き、現在有効な資格を取得しているように見せないでください。応募する仕事に必要な資格は、応募要件を満たしているかも確認しましょう。
- 退職理由はどこまで書くべきですか
-
自己都合なら「一身上の都合により退職」、会社都合なら「会社都合により退職」など、事実に沿って簡潔に書きます。詳しい事情を伝える必要がある場合も、相手への批判ではなく出来事を短く説明しましょう。
提出前の最終チェック
- 勤務先と在籍期間は、履歴書と一致しているか
- 応募する仕事に関係する経験を見つけやすいか
- 実績・資格・役割に事実と違う記載がないか
- テンプレートの〇〇や不要な行が残っていないか
- 応募先の提出形式・枚数・ファイル名の指定に合っているか
参考・出典
- 厚生労働省『職務経歴書の作り方』(ハローワークインターネットサービス掲載)/hellowork.mhlw.go.jp/doc/syokurekisyo_pamphlet.pdf
- 厚生労働省『応募書類の作成』職務経歴書(分割版)/hellowork.mhlw.go.jp/doc/oubosyorui_pamphlet_02.pdf
- ハローワークインターネットサービス「応募書類作成のポイント」/hellowork.mhlw.go.jp/member/career_doc01.html
- 厚生労働省 履歴書様式例(A4版)/hellowork.mhlw.go.jp/doc/kouroushourirekishoA4.pdf
- 厚生労働省「公正な採用選考の基本について」/mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm
いずれも2026年9月1日時点の内容です。様式は改定されることがあるため、提出前に応募先の指定と最新の公開資料をご確認ください。

